「あれ、今日なんかズームできるし広角も撮れるぞ?」
SIGMA fp 用の初めてのズームレンズを買って、テスト撮影に持ち出した最初の感想がこれだ。「一体いつからズームレンズを使っていないと錯覚していた?」となる一本。自分にとっては初めてのLマウント追加レンズだったので、購入の判断とともにまとめてみる。
要点
軽い。45mmからの乗り換え組にはほとんど誤差
今まではfp付属の45mm F2.8 DG DNをメインで使っていた。fpをこのレンズセットで買った人は、この215g、本体込み637gが基準になっていると思う。このとき、もし手荷物が1.1倍の75g増えたらすぐに気づけるか?を思い浮かべて欲しい。冒頭の感想は決して大袈裟に言ったものではない。
28-70mm F2.8 DG DN Contemporaryも試したことがあるが、数時間首から下げてると”今日肩重いな”程度にはわかる。こちらも軽いズームレンズだけれど、”何と比べてユーザが感じるか?”という点において、18-50mmの方が断然軽い。”小さいからfp買ったエンジョイ勢”にとっては尚更だ。
ましてやサイズ感も写真の通りなので、45mmからの購入者には、特にハードルが低く感じる。意識していないと、どちらだったかわからない軽さとサイズが、二本目のレンズとして推せる。なお、二つ持ち出しても合計928gと1kgを切る。
・本体+45mmから18-50mmに換装時 : +75g、+12pt
・本体+45mmから24-70mmに換装時 : +255g、+40pt
・SIGMA fp (SDカード, バッテリー込) …422g
・45mm F2.8 DG DN 215g (fpセット637g)
・18-50mm F2.8 DC DN 290g (fpセット713g)
・28-70mm F2.8 DC DN 470g (fpセット892g)
一番気になる、DCクロップ・解像度の話
モバイル以上の大きな高解像度ディスプレイで、SNSに上がっていない写真を楽しみたいものだけが石を投げなさい
説明書 77ページ DCクロップ(Super35)モードについて
18-50mm F2.8 DC DNの製品発表を聞いた際、
“自分の持っているレンズはDG DNだけれど、DC DNはfpでも使えるの? “
”フルサイズじゃ無くなるって?”
というのが、初心者ユーザである自分が思いついた疑問だった。結論から言えば”使えるが最大有効画素数は下がる”なのだが、第一報は他人事のように見ていた。「だって、私が買ったのはせっかくのフルサイズだし?」ぐらいに。
けれど、APS-Cにクロップされるということを改めてどう捉えるかによって、”自分にはこれで十分”と思える人も一定数いるのではと感じている。前置きが長くなったが、まずは下の写真を見比べて欲しい。
どちらも可能な限り同一条件で撮り比べた45mm F2.8 DG DNと18-50mm F2.8 DC DNの違いだ。元の画素数は6000×4000(2400万画素)と3840×2560(983万画素)で全然違う。
繊維の塊、ぬいぐるみなら解像感に違いが出るかなと思ったが、正直なところ私はプロファイルを見ないと区別がつかない。このブログ上で見ると、画像圧縮プラグインが効いているので、正解はこのリンクからFlickrで元画像のまま確認して見てほしい。ちなみに正解は全て左が18-50mm DC DNとなる。
4Kディスプレイで一部分を拡大すればわかる。写真の一部を切り取って、仕上げたいならやはりフルサイズが良いと思う。もっというとfp Lが良い。ただ、自身の撮影スタイルでは撮るときに構図をほぼ決めてしまうのでこのニーズはあまりなかった。
最近写真を見るのはInstagramやTwitterなどのSNSから、モバイル端末で見る事が多い。ディスプレイサイズ然り、何かしらの圧縮が掛かっているものを常に目にしていると思うと、高画素数の写真のニーズがそもそもあるのだろうかとさえ思ってしまった。もはや解像感の全く失われていない(圧縮されていない)、撮影サイズそのままの画像を4Kディスプレイで見る体験自体が、稀になってはいないだろうかと思う。もちろんA3で印刷をすることもない。
大前提として、後世に残す上では、データはDNGで高解像度にしておいた方が良い。4Kテレビが当たり前になったように、いずれ8Kテレビが普及して、そこでスライドショーを楽しんだりする未来はすぐに来る。しかし、話をややこしくする要因として、Photoshopに追加されたスーパー解像度という機能がある。AIが擬似的に解像感を補完する技術であり、この精度が年々上がっていくと、”はたして、全てのデータを高解像度でとっておく必要があるのか?”という疑問もまた湧く。でもそれは写真なのか?という哲学的な問いが続き、何かしらの現象をやればそれは加工品だ!という論争が始まる。(割愛)
画素数・解像感は写真の一要素であるが、DCクロップだけで、このレンズをfpの選択肢から外すのはあまりにもったいない。正直なところ、比べた二機種では、どちらで撮るかより、適切な設定でシャッターを切れるかどうかの方が、はるかに出来上がりに影響すると思った。
ちょっと気になるRAW現像のダイナミックレンジ
何か気になる点を挙げろと言われれば、画素数・解像度よりも、RAW現像していてダイナミックレンジの幅が狭まっているように感じる点だ。普段と同じ感覚で編集していると、ノイズが出ていることに気づく。確かにフルサイズの利点にはノイズが少なく、諧調がより豊かとあるのだが、フルサイズで撮った写真をDCクロップしている場合、この特性もAPS-C相当になるのかは、今ひとつ確証が持てなかった(密度自体は変わってなくない?という疑問)。でもそうだと言われればそうな気もする🤔。。(詳しくなくてゴメン)
これについては追々気づいたら追記したい。解像度よりも、こっちの方が後からはどうすることもできないので、画質最優先の人は素直に28-70mm F2.8 DG DNや、そもそも単焦点の方がオススメだと思う。写真って気持ちで撮ってるところあるもんね。
まとめ
少しでも重いと持ち運ぶのが億劫になってしまう自分にとっては、十分な画質で圧倒的に軽いズームレンズは自身のニーズにピッタリハマった。初心者は画質を優先する前に、まず写真を撮らないと何も始まらないからだ。RAW現像のダイナミックレンジやノイズなど、28-70mm F2.8 DG DNを使ったときには全く気にならなかった部分はあるものの、概ねこれまで同様に使えている(気のせいの可能性もある)。とかく、私にとって一番違う点は、”なぜかズームもできるし、広角も撮れること”だ。この軽さでフルサイズ換算27-75mmをカバーできるズームレンズこと18-50mm F2.8 DC DNをまとめると以下の通り。
- SIGMA fpにピッタリハマる、軽い標準ズームレンズ
- DCクロップと残念がる前に是非撮り比べて確認しよう
購入を検討する上で、思いの外、fpと組み合わせているサンプルが見つからなかったので、しばらくメインで使ってご紹介できればと思うので、 Instagramもどうぞよろしく。