Sigma fp

Sigma fpを買って1年ほど経ったので、初心者なりにレビューを書く。Sigmaについては10年ほど前、”ダカフェレンズ” こと”SIGMA 30mm F1.4 DC HS”を検討した際に知った。その後に、Sigmaのミラーレスカメラを買うとはゆめゆめ思わなかった。隅々まで使いこなしているわけではないが、楽しく(不満もありつつ)使えているsigma fp。検討している方の一助となればと思い本記事を書く。


要点


買ってよかった

結論から言うと、買って良かった。カメラの最終的な購入決定的要素は、そのアウトプットが好きか嫌いかだ。フィルムのような質感が、他メーカーと異なり、結局はここが好みかどうかだと思う。Sony(ボディ) x Sigma(レンズ)の写真と見比べても、やはり異なるのは素人目でも感じる。Don’t think, feelである。

また、Teal & Orangeに代表されるようなカラーモードも、撮影の楽しみを広げている。「後からカラーなんてプリセットで変えれば?」なんて声も聞こえてくるが、“どんな雰囲気で撮ろうかな?”とカラーモードを当てながら撮影する点に面白みがある。自分はLightroom(iPad)で現像しているので、結局色味はいじるのだが、最小限の工数しか調整していない。カラーはTeal & Orangeのプリセットばかり話題になるが、Sunset Red、Forest Greenの他、FOV Blue、FOV Classic Yellowなどのカラーやモノクロもあり、飽きが来ないようになっている。

世界でもっとも使われているカメラデバイスが今やiPhoneなのは、小さくて軽く、いつでも持ち運んでいるからだ。”買っても使うのか?”を考えた際に、小さいは正義であり、世界最小・最軽量の「ポケッタブル・フルフレーム」、sigma fpは正義その物である。つまり”光学式ボディ内手ブレ補正機構搭載のフルサイズセンサー搭載デジタル一眼カメラとして”とa7cが注釈をつけてまでうたいたいほど強い要素だ。何年も前に自分もAPS-Cのデジタル一眼レフを持ってたが、結局画質と重さ(荷物になる度)とのトレードオフで利用しなくなっていた。幸い現在は、カメラのレンズラインナップもI seriesとして24mm / 35mm / 45mm / 60mm の単焦点レンズが揃っており、どれもsigma fpの筐体にピッタリである。


不満点

“これは初心者だから感じる不満かもしれないが” と前置きをして、不満点もいくつか上げたい。まず、AF(オートフォーカス)がSonyのドンズバで合う様子を見ていると、圧倒的に遅いし合わない。iPhoneと同じ感覚でタッチパネルで〜と思ったが、タッチ感度が全く別物である。合わせにくいものは、タッチした側からAFが読みにいってズレるので、F値をさっさと下げてしまうこともままある。

手振れも同様に”光学式ボディ内手ブレ補正”がついているわけでは無い。写真はさておき、動画で電子手振れ補正をオンにしてもユラユラするし画角は一気に狭くなる。動画は三脚かジンバルが必須なので、どんなレビューでも見るが気軽なVlogカメラには決してならない。この2点から、”ピントがあってない写真もソールライター感あって味がある”とか”動画やりたきゃDJI Pocketとか買えばいいよね”と割り切れない人は、購入対象から外れると思う。

開発コンセプトから、現在のデジタルカメラの価値を再定義するとしたsigma fpだが、Wi-Fi接続による写真転送機能が無いと言うのは、このご時世目眩がしそうだった。SDカード単体にその機能があるFlash Airなどは、カメラメーカーがこぞって本体に搭載したため、とうに絶命している。iPad ProなどにはUSB-Cで、iPhoneにはLightning – USBカメラアダプタ&USB-A to Cケーブルでつなぐという、”本当にどうにもならなかったのか?”という使い勝手の悪さはここでも感じた。写ルンですや、Dispoのような使い勝手の悪さがかえって流行る昨今を見通したとすれば、先見の明だが。


迷ってる人へ

色々不満もあげたけれど、結局自分はfpを買って満足している。確かに、a7cは気になっているし、sigmaの新しいレンズはEマウントの方が中古も流通しており、考えさせられるものはある(苦笑) ただカメラは道具なので、使い勝手・アウトプット・愛着を考えた際に満足できるものを自分なりに決めるしかない。自分が参考になった先達のリンクを貼って本稿を閉じたいと思う。


(参照)

SIGMA fp Concept Movie | SIGMA
  • Instagram #sigmafpでインスタなどで検索して確認して見るのもオススメ(解像感はさておき)