この投稿は、娘が「あなたがこれぐらいの大きさだった頃、こんなニュースがあったよ」ということが後から知れるように、今月個人的に気になったニュースをまとめている。いつにもまして、筆が重いのは、ウクライナ戦争が始まったからだ。おそらく娘が世界史を学ぶ頃には、今月の出来事を否応なしに知るのだろう。
気になったニュース
2/24 : ロシアによるウクライナ侵攻
2/20に北京オリンピックが閉会した。その4日後、ウクライナ周辺で軍事演習を続けていたロシア軍は、”ウクライナ東部の地区が、ロシアとして独立することを承認する”という名目で開戦。直ちに首都侵攻を含む、ウクライナ全土を巻き込んだ全面戦争になった。一方的な侵略行為に、国際社会は大きく反発し、国際決済網SWIFTからの排除や、資産凍結を各国が実施。翌月には、国際的な各企業がロシアでの販売活動を停止するにまでなった。
EUにとっては、同じ欧州の大国がこうした蛮行に及ぶのは、これまでのイスラム社会で起きていた戦争のインパクトと大きく異なっただろう。さらに言えば、国際社会全体が”独裁的な権力を持つ国家が領土拡大を主張するとこうなる”というワーストケースを突きつけられた。この動向次第では、例えば中国が、台湾侵攻や一帯一路政策で何をしても、同様の正当化が罷り通ってしまう。誰もが対岸の火事として見過ごせない、つながった世界の一大事になった。
さらにこの戦争がこれまでより関心を集めるのは、”SNS戦争”と言われるほど、インターネットを介して、リアルタイムでその戦況が伝えられたことだ。ロシアは開戦理由の正当化を図って、フェイクニュースを拡散させたり、政府・企業へサイバー攻撃を実施していることが改めて明るみになり、現実・仮想空間共に戦場であるとされた。
日本とロシアの間には、北方領土問題が2022年現在もあり、第二次世界大戦後に占拠されてから、今日まで返還されていない。2014年にクリミア半島を占拠されたウクライナの状況は、日本からすれば全く他人事ではないのだ。
コロナ禍でサプライチェーンが混沌としインフレが進む中、価格が急騰するエネルギー資源である天然ガスと、最大規模の核保有国であることを盾に戦争を仕掛けてきた。少しでも少ない犠牲者で、ウクライナにとって有利な条件で戦争が終結することを願う。
2/3 : Facebookの株価が急落、一時は23%超え
決算発表を受けて、323.00から237.76と85ドルほど下がり、一時は23%を超えて下落した。決算で一株当たり利益が想定に未達だったことや、利用者が初めて減少したことが背景だが、その要因にはAppleのプライバシー強化やTikTokの台頭が挙げられる。
その後も株価は下がり続けており、(今後はMetaブランドになる)Oculusを中心としたVR製品で、メタバースのプラットフォーム構築に向けて損失も絶賛拡大している。メタバースは、2008年頃にSecond Lifeなるサービスがいっとき興隆を見せたが、その後衰退。果たして、社名まで変えて取り組むこのメタバース事業は身を結ぶのか?
2/4 : 米インフレは止まらず、Amazon好決算とともに北米でAmazon primeを値上げ
ここでも値上げに利上げと、アメリカはインフレが進んでいる。(この後のロシアによるウクライナ侵攻でさらに経済は混沌とする。) コロナ禍でGreat Resignation(大量離職)が起きており、働き手不足から募集賃金も上昇して売り手市場になっている。モノの価格と給料ともに上昇傾向だが、急激な傾向に難しい舵取りを迫られているという。
一方の日本は、ここ30年給与水準がほとんど変わっておらず、金利だけ下がっているのでマンション価格はどんどん上がっている。この後、アメリカの利上げは波及すると言われていて、インフレ(物価上昇)のみで給料が上がらない”スタグフレーション“になると、単に生活はどんどん苦しくなるとされている。
2/15 : 「エンガジェット日本版」「TechCrunch Japan」終了へ 5月1日で閉鎖
日本版のEngadget およびTechCrunchの終了が発表された。当初よりTechCrunch日本語版の読者だったので惜しむところはあるものの、engadgetと経営が統合してから遠のいてしまった。理由として、日本版engadgetが好きになれなかったに尽きる。アメリカ版engadgetと日本版和訳記事では随分と内容が異なったり、ファクトに基づくというよりはPV稼ぎの見出しや内容が散見してい。(それはそれで正しい経営方針なのだけれど、)暇潰しに見るのはさておき、何か知見が貯まるようなニュースではなく、その毛色がどこかTechCrunchにも現れて感じた。特にTechCrunchのTwitter運営は、あるときから何度も同じ記事の紹介を流してくるようになったのを覚えている。編集方針なのだろうが、若い記者達がYouTuberのように動画で感想文を述べ始めたあたりは末期だったと思う。
英語が苦手だった頃にはまだこうしたニュースサイトが手薄で有難くも感じたが、いざ本家を覗くと大きく差があり驚いた。今やサイトテキスト翻訳は容易に利用できるので、あまり感慨深くも無い廃止だった。
2/16 : 「Windows 11」のAndroidアプリ対応、米国でプレビュー提供を開始
WindowsでAndroidアプリが動くという発表は、Microsoftのモバイルデバイスに対する一つの白旗だと思う。しかし、これほど合理的な決断もない。AppleもiOSアプリがMacで動くのは一昨年より搭載された新しい自社製CPU、M1チップの搭載時より実施しているが、現時点で対応するアプリは体感でそれほど多くない。結局モバイルアプリははモバイルでやるのが最適化されているから、というところではあるが、いずれその垣根を越えて両用できるプラットフォームが必要とされるシーンは出てくるように思う。そうした準備を、他社と手を組んででも実現するあたりに、強かさを感じるニュースだった。
2/16 : 問題作、サイバーパンク2077が次世代機に対応
ようやく、サイバーパンク2077がPS5のクオリティで遊べるようになった。このゲームはRPGとしてユーザに最大級の期待と裏切りをもたらした一作で、発売当初は30分おきにクラッシュするようなバグの数々から、PlayStation Storeでは販売が取り下げられる事態にもなった。開発元は2015にGame Of The Yearを獲得したRPG、Witcher3のCD PROJECT REDだったため、並々ならぬ熱視線が良くも悪くも送られた。(Witcher3はその人気から、Netflixで映像化までされている)
既に発売から一年ともなると半額でセールされるし、既に興味は他のゲームにもあり、私は今ひとつ復帰しきれてない。こうした広告予算を最大限に取ってるだろう作品でも、昨今発売と同時にバグだらけでまともにプレイできず、過去作品の期待値から想像もし得なかった体験で辟易してしまうケースが昨今少なくない。むしろフルプライスで発売日に買うのは少々チャレンジングとも言える。また、多くの大作が、その後の追加アップデートを有料無料問わず実施していて、ひとつのタイトルの寿命は年々長くなっているように感じる。
娘の夜泣きが減って、体力的に余裕ができたらクリアしたいと、未だ手元にはとってあるが、果たしていつになるだろうか。